あなたは繊細ゆえの生きづらさを克服するために、相当がんばってきたのではないでしょうか?
HSPに関する書籍をたくさん読んだり、日々ネガティブなとらえ方を変える努力をしたり。
それでも長年解決しないのであれば、私と同じくグレーゾーン発達障害かもしれません。
私は自分がHSPだけではなくグレーゾーン発達障害であると気づいたことが、人生を大きく変えるきっかけとなりました。
繊細かつ過敏な体質で25年以上悩んできましたが、グレーゾーン発達障害克服に対するアプローチをおこなうことで、1年でネガティブな感情が半分以下に。
過去最高にメンタルが安定し、やりたいことに集中できるようになりました。
この記事では、グレーゾーン発達障害の特徴と、おすすめの書籍もご紹介します。
あなたの人生も好転することを願います。
HSPとグレーゾーン発達障害の違い
HSPとグレーゾーン発達障害には、感覚過敏、不安や恐怖をつかさどる偏桃体が暴走しやすい、セロトニン不足といった、同じような特徴があります。
個人的な見解ですが、私はHSPとはグレーゾーン発達障害だととらえています。
グレーゾーン発達障害は精神医学、HSPは心理学の概念です。
たとえばまったく同じ症状であったとしても、西洋医学と東洋医学とでは、原因として考えられている要素も、治すためのアプローチも違いますよね。
東洋医学では気血水がベースになっていますが、西洋医学ではそもそも「気」という概念自体が前提からありません。
HSPもグレーゾーン発達障害も、同じ対象を違う視点から見ている話だと、私は考えています。
私はHSPの特徴に自分がかなり当てはまるので、HSPに関する情報や対策(特に心へのアプローチ)を5年以上取り入れてきましたが、なかなか生きづらさは根本から解決しませんでした。
HSP関連の情報を否定するわけではありません。むしろ心が軽くなるものが多かったです。
しかし、特性の程度が大きい人ほど、グレーゾーン発達障害に特化したアプローチが有効だと私は実体験をとおして感じています。
HSPと似ているグレーゾーン発達障害とは?
グレーゾーン発達障害とは、脳の器質的に発達障害の傾向がある方のことです。
診断基準をすべて満たすわけではないので、病院で発達障害と診断されることはほとんどないと言われています。
発達障害と診断される人を「黒」、障害のない定型発達の人を「白」とし、その間には「グレーゾーン」があるという考え方です。
ここから左の人は障害あり、右の人は障害なし、と明確な線引きができるものではなく、間にはグレーゾーンの領域があるという考え方です。
「白」と「黒」の間はグラデーションになっているイメージで、限りなく黒に近いグレーもあれば、白よりの薄いグレーもあります。
黒に近いほど生きづらい、という単純な話ではありません。
白に近いグレーの方であっても、ご自分にとってあまりにも合わない環境に身を置いていると、メンタルの不調を抱えてしまう可能性があるのです。
発達障害のおもな種類は、自閉スペクトラム(自閉症、アスペルガー)、ADHD、LD(学習障害)の3つ。
アスペルガーとADHDは、単独よりも併存している方が多く、ちなみに私はアスペルガーがメインで、ほんの少しだけADHDであると自覚しています。
グレーゾーン発達障害の生きづらさの特徴
グレーゾーン発達障害の方は、心身ともに生きづらさを抱えている方が多いです。
仕事面での最たる特徴は、マルチタスクや臨機応変な対応が苦手なこと。
また、慢性疲労やこだわりの強さ、考え方の偏り、繊細さ、強い不安感、深い劣等感もよく挙げられる特徴です。
また二次障害として、PTSDや不安障害、うつ病やパニック障害、適応障害、社交不安障害(対人恐怖)、強迫性障害といった心の問題を起こす可能性があるともいわれています。
これらの病名にピンとこなかったとしても、
- しつこい不安や恐怖が強すぎる
- トラウマになっている些細な出来事をしょっちゅう思い出す
- 嫌な考えが頭を離れない
- 1時間くらい寝つけないのは当たり前
- パワハラなどの問題はない職場であっても、人間関係がしんどくて辞めたい
といった日常的な生きづらいポイントがある繊細体質の方は、グレーゾーン発達障害を疑ってみてほしいと思います。
一見「心の問題」のようですが、生まれ持った脳機能の偏りや、セロトニンなどの神経伝達物質のはたらきの弱さが原因にあると考えられています。
この脳の特性は、感覚過敏、ネガティブ思考が強い、物事を継続できない、お金の管理や整理整頓が苦手、忘れ物が多い、睡眠障害、コミュニケーションが苦手、といったお悩みにも関係しているのです。
なぜあなたはネガティブ感情が強いのか
グレーゾーン発達障害の方のネガティブ感情が強いのは、前頭前野のはたらきの弱さとセロトニンの不足が大きな要因です。
人は怒りや恐怖を感じても、前頭前野が働くことで理性を取り戻し、落ち着いて判断したり行動したりできます。
しかし前頭前野のはたらきが弱いと、いつまでも不安にとらわれたり怒りを抑えられなかったりするのです。
そしてセロトニンの分泌が生まれつき不足しやすいのも、メンタルを不安定にさせます。
セロトニンは、怒りや不安をつかさどるアドレナリンやノルアドレナリンといった、他の神経伝達物質の調整役。
ネガティブな感情から平常心に戻してくれるので、メンタルの安定に必須の神経伝達物質なのです。
セロトニンが不足していると、いつまでも怒りを抑えられなかったり、心配事や落ち込みから抜け出せなかったりします。
前頭前野のはたらきの弱さとセロトニンの不足の改善が、グレーゾーン発達障害の方のメンタルを安定させる鍵になるでしょう。
なぜあなたは劣等感が強いのか
グレーゾーン発達障害の方は、脳の自尊心に関わる部分が未発達であると言われています。
劣等感は心の問題ではなく、なんと脳機能が原因の「症状」という側面があるのですね。
また、成長過程においても自己肯定感が育ちにくいことも原因です。
グレーゾーン発達障害の方は脳の特性から、マルチタスクが苦手だったり、忘れっぽくて仕事でミスが多かったりして、他の人のようにできない自分自身を否定的にとらえがち。
そして他人と比べて、「自分はダメな人間だ」と劣等感を深めてしまうのです。
劣等感の深さは、傷つきやすさにもつながっています。
繊細で傷つきやすさにお悩みなら、下記の記事もご覧ください。
なぜあなたは望みを引き寄せられないのか
グレーゾーン発達障害の方は、スピリチュアルや精神世界に興味を持つ傾向があり、引き寄せの法則にはまっている方も多いと思います。
しかし、努力しても引き寄せの法則がうまくいかないのは、特性であるセロトニンと前頭前野のはたらきの弱さによって、ネガティブ感情が強いのが大きな要因になっています。
ネガティブな感情が強くメンタルが安定しないと、波動が下がるので望みを引き寄せにくくなります。
また、前頭前野には感情のコントロール以外にも、未来を想像する、計画を立てる、計画を実行する、目の前のことに集中する、欲や衝動を抑える、物事を継続するなど、願望実現において重要な機能ばかり。
やるべきことを先延ばししてしまったり、目先の快楽に負けて怠けてしまったりと、物事を続けられないお悩みには前頭前野が関係しています。
前頭前野のはたらきの弱さは、望みへのフォーカスと行動も阻んでしまうのです。
実体験にもとづくグレーゾーン発達障害の特徴リスト
この項では、グレーゾーン発達障害が大元の原因にあった、私の今までの生きづらさや心身の不調についてまとめました。
あなたも似たようなご経験やお悩みははないでしょうか?
ご自分の生きづらさのポイントを踏まえながら、ご覧いただければ嬉しいです。
心のこと
- 嫌なことが頭を離れず、目の前のやるべきことに集中できない。
- 何年も前の些細なネガティブな出来事を、いまだに思い出して不快な気持ちになる。
- 起きてもいない出来事(しかも一般的に起こる確率の低いこと)を本気で恐れて、何も手がつかなくなる。
- 強迫観念にとらわれて、何も手がつかなくなる
例)「ネガティブな感情を消さないと悪いことが起こる」と強く信じ、クリアリングワークを1日5時間やる日もあった - 新しい場所や人に対し、強すぎる恐怖を覚える。
例)就職の面接も、行くのが怖くていっそのこと辞退しようかと悩むほど - やらなきゃと思っているのに先延ばしする自分に、異様なほどの自己嫌悪
体のこと
- 感覚過敏
例)服の素材・締め付け感が気になると、仕事に集中できなくなってしまうくらい
例)そんなに大きい音量でなくても、近所の音や声が気になって自宅でリラックスできない - 睡眠のトラブル
例)布団に入って、1~2時間寝つけないのは当たり前
例)排卵日のあたりに一睡もできない
例)生理前は2時間おきに起きてしまうか、逆に15時間以上眠りすぎる - 疲れやすく、1日7時間(基本残業なし)の事務職でグッタリ。
- 休みは日中だるすぎて身体を起こしているのがつらい
- 人混みや職場で、身体が痛い、だるくて身体が重い、意識もうろう
- パニック発作
- 痩せにくい
仕事面
- 時間の管理や、めどを立てるのが苦手。
- 電話応対、会議や打ち合わせが苦手。
- 周りに人が多いと、目の前の人との会話の内容があまり理解できない
(音はちゃんと聞こえている)
対人面
- 雑談が苦手、苦痛
- 初対面よりも、2回目以降の接し方や距離感がわからない
- 許せない人、苦手な人で頭がいっぱいになってしまって、切り替えられない。
- パワハラなどの問題のない職場であっても、人間関係がつらい
- 嫌いな人でなくても、職場で誰かとランチするのは地獄の苦しみ
- ちょっとしたことで不快な気持ちになることが多いから、人を避ける
その他
- お金の計算が苦手
- 買い物依存
- 忘れっぽい
例)持っていく荷物(しかも大きめ)を玄関の通り道に置いておいても、それをよけて行ってしまう
自分はネガティブな性格の人間だ、と思っていませんか
上述した生きづらさのポイントは、文字に起こしてみると一見、人間なら誰でも起こり得るような項目もあると思います。
しかしグレーゾーン発達障害の方のメンタル不調は、ネガティブ感情の頻度に違いがあると実体験をとおして感じます。
私はひどい時は、一日の起きている時間のうちの90%くらい、ネガティブ感情にとらわれていました。
まったく「いま」を生きれていなかったです。
私は日常的にフラッシュバックや怖い妄想が起きていて、そんな思考を止めたいと思ってるのに止められなかったです。
「悪いことが起きてしまうかも」という異様な不安感と妄想だけで、休みの日が終わってしまうこともありました。
ただしメンタル面の不調は、自分の状態が日常に支障があるレベルなのかどうかが、意外と自分自身では気づきにくいと思います。
人間は他人の身体の中に入って、相手の感情や思考を体験することはできないですよね。
自分の感覚しか知らないわけですから、そういう意味では比べようがないといえます。
私も長い間、単に自分はネガティブな性格なんだ、と思い込んでて、まさかグレーゾーン発達障害という、脳の器質的な特性があるとは気づきませんでした。
あなたも長年ネガティブな思考で苦しんでいるのであれば、「グレーゾーン発達障害」が人生を好転させるキーワードかもしれません。
グレーゾーン発達障害の生きづらさを克服した方法
私が実践した克服方法は、以下のとおりです。
・発達障害について、書籍や動画で学んだ
・身体づくり
①オーソモレキュラー(栄養療法)を学んだ
②サプリメント摂取
③糖質制限&プロテイン摂取
④生活リズムを整えた
・脳の前頭前野を鍛えた
・心理療法を自分でおこなった
認知行動療法、EMDR、反すう思考対策、強迫性障害克服、自己暗示法、呼吸法など。
これらはグレーゾーン発達障害の生きづらさ克服に加え、引き寄せの法則を活用し望みの人生を創るための土台になりました。
実際におこなった、身体づくりの内容や脳機能の鍛錬、心理療法の詳細については、別記事で書いていますので、ご参考になさってください。
グレーゾーン発達障害と気づいたきっかけは、吉濱ツトムさん
自分がグレーゾーン発達障害であると気づけたきっかけは、
発達障害カウンセラーの吉濱ツトムさんのツイッターです。
吉濱ツトムさんのツイッター、必見です。
グレーゾーン発達障害の日常的な特徴を、わかりやすく教えてくださっています。
私は初めて拝見したとき、吉濱さんの挙げてくださる特徴にあまりにも自分が当てはまるので、「今までの謎の生きづらさはこれだったんだ!」と興奮しながら読み進めました。
あなたもぜひ、ご自分の生きづらさと照らし合わせてみてほしいです。
グレーゾーン発達障害に関するおすすめ書籍
グレーゾーン発達障害に関する、おすすめの書籍をご紹介します。
グレーゾーンの方の場合、発達障害の特性がところどころ当てはまるので、グレーゾーン発達障害に特化した本だけではなく発達障害に関する本も読むといいですよ。
逆転の成功法則
グレーゾーン発達障害の実例を参考に、生きづらさを克服するための現実的な方法が学べる良書です。
隠れアスペルガーという才能
アスペルガーに特化した内容です。
この1冊は必ず読んでほしいと思います。
アスペルガーの長所と短所、栄養療法や心の問題の原因と対策について、最低限身につけたい幅広い知識がこの1冊で得られます。
アスペルガーの長所リストを読んでいると、「まだ拓いていないだけで自分にもこんな才能があるのかもしれない」と勇気づけられます。
大人の発達障害グレーゾーンの人たち
グレーゾーン発達障害に特化した内容です。
特徴や対策などを全体的に学べます。
それって「大人の発達障害」かも?
発達障害の分類、心身と脳の特性、二次障害として起こりうる症状、日常的なお悩みの対処方法など、全体像を学べます。
絵や図が多く、言葉も身近なわかりやすい表現が多く読みやすかったです。
繊細なグレーゾーン発達障害の生きづらさは克服できる
グレーゾーン発達障害の生きづらさは、生まれつき特性によるものとはいえ、適切な方法で軽減させることはできます。
繊細さも、才能として活かせるようになれます。
私は、からだ作りを実践してメンタルや体調が安定するほど、自分のやりたいことがわかり未来に希望を持てるようになっていきました。
人生は自分次第で好転させられるのです。
グレーゾーン発達障害に当てはまるかもと思った方は、まずは発達障害の特徴について、ご自分でも調べてみてください。
あなたの人生を変えるヒントが見つかるかもしれません。